川崎の児童養護施設で少女にわいせつの罪 初公判で被告は無罪主張

川崎の児童養護施設で少女にわいせつの罪 初公判で被告は無罪主張
カナロコ by 神奈川新聞 2022/8/31(水) 23:51配信

 川崎市内の児童養護施設に入所していた10代の少女2人にみだらな行為をしたとして、児童福祉法違反と強姦(ごうかん)の罪に問われた児童養護施設職員の男の被告(36)=同市多摩区=の初公判が31日、横浜地裁川崎支部(幅田勝行裁判長)で開かれた。被告は「そのような事実はありません」と起訴内容を否認し、弁護側は「いずれとも性交をしたことはない。無罪」と主張した。

 検察側は冒頭陳述で、被告がホーム長として児童の指導、教育を行う立場にあり、少女にとって「親代わりとして頼れる存在だった」とし、「宿直勤務中に宿直室で犯行に及んだ」と指摘した。

 神奈川県内の児童養護施設で少女2人にみだらな行為をしたとして、施設職員だった男(35)が強姦(ごうかん)罪(現・強制性交罪)と児童福祉法違反で起訴されていたことが分かった。男は、少女らを含め、施設で暮らす子どもたちの生活支援を担当していた。
 起訴状では、男は2016年11月、施設の宿直室で、13歳未満の少女に乱暴したほか、17年12月にも職員の立場を利用し、宿直室で18歳未満の少女と性的な行為をしたとしている。捜査関係者によると、県警が今年7、8月に両事件で男を逮捕した際には、容疑を否認したという。
 男が勤務していたのは、虐待などの事情で実の親と暮らせない子どもたちを家庭に近い環境で受け入れる「地域小規模児童養護施設」。児童定員は6人で、4人ほどの職員が交代で常駐して生活を支援していた。この施設を開設した社会福祉法人は10月に第三者を含めた検証委員会を設置。施設を認可した自治体も児童福祉審議会で事件を検証するという。
 大阪府立大の伊藤嘉余子教授(子ども家庭福祉学)は、地域小規模児童養護施設は一人一人に適した支援が行える反面、外部から問題が見えにくくなりやすいと指摘し、「児童相談所の職員がこまめに面会を行うなど、もっと児童の声を拾う仕組みが必要だ」としている。

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